作品番号は、成立順とは異なりますが、まったく無関係というわけでもありません。創作には、波がつきまといます。20代のころは、かなりの作品をかきました。小説一覧のなかでいちばん古い小説、30.「アルジェの朝」は、21歳のときの創作です。表記法などは改めましたが、構成はできるだけ忠実に再現しています。5.「旅の終わり」は、28歳のときの作品です。これも、基本的には表記法だけを変更しています。40歳、55歳のころにも創作期がおとずれました。クレアツーラの草稿、インドもの5作は、この時期に創作されています。60歳で退職したあと、10年以上つづく創作期がやってきたのは望外でした。作品番号、1~13までは、比較的早期に成立し、番号があたえらています。最近の2年ほどはスランプで、もう一度、創作期がきてくれるのか、分かりません。小説は、何回脱稿できても、主観的に完成している段階では発表できません。余韻にひたっている状況では、作品としては未完成です。私のばあいは、「そぎ落とす」ことにずっと注力してきました。ところが、数年前に「肉付け」が必要だと感じ、すべての作品をつくり直しました。この過程で、ある程度の客観的完成を得られたと思います。つきつめるなら、小説とは、著者が読者に提示する一つのクイズともいえます。ですから、筋を追うことに夢中にさせるよりも、なにが隠し球なのか、謎解きのヒントをあたえる方が小説の理解に役立つと気づいたのです。作品番号、53以降は、比較的あたらしい作品群です。未完とされる番号には、該当する作品がありましたが、客観的に不十分と判断され、削除されました。もう一度、創作期がくるまで生きていられれば、埋められると思います。改訂中となっている部分は、主観的には完成ですが、まだ充分な客観性を得られていない状況の作品群です。こうした創作は、6つほどありますが、これらは発表できると考えています。

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