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ゴールド、11

 このコラムでは、仮想通貨について考えてみます。

 仮想通貨( virtual currency)は、日本では2020年に改正資金決済法が施行されて暗号資産(crypto-asset)という名称に変更になりました。

 暗号通貨( cryptocurrency)、いわゆる「仮想通貨」とは、現実に存在する消費財などを売買できるよう設計された仮想の通貨です。仮想通貨は、データとして存在するデジサル資産(digital asset)と結びつけられています。個々のコインの所有権の記録は、電子化されたデータベース上の台帳に保存されます。強力な暗号によって、取引履歴の安全性が保障され、新たなコイン生成が管理され、所有権の移転が確認されるものとされています。

 作品番号11.「ソフィアに会った日」では、仮想通貨をつかったエキサイトというゲームが紹介されています。このゲームでは、どのようにハッキングして、現金化するかという方法が考案されます。現実に韓国の北側の国では、国家が一体となってハッキングしています。

 厳しい監視のなか、つかわれていないふるいアカウントを利用して大量の口座をつくり、盗んだマーキングされた通貨を小分けにして分散させます。そこで、さまざまな取り引きを行い、ほかの貨幣と目茶苦茶にまぜあわせ、もとがなんだか分からなくさせます。最後には可能なかぎりの方法を駆使して一般通貨に交換し、現金化します。

 成功すれば大金持ちになり、気に入った邸宅を購入することができます。住居の場所や外装、間取りなどを、お金に応じて選択できます。さらに資金をつくれば、愛人たちを複数の邸宅に住まわせることができます。お金を一定以上つむと容姿端麗な女性のヌード写真などがあらわれ、好みに応じて選択、非選択を決められる特典がついています。

 対象になる仮想通貨は、取り引きできるものだけでも90種類以上あります。時価総額は、200兆円をこえています。ビットコイン(BTC)は、とくべつ大きく50%をしめています。イーサリアム(ETH)も、20%、70兆円の時価をもっています。1兆円をこえるものだけでも、3位のビルドアンドビルド(BNB)以下、リップル(XRP)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、ドージコイン(DOGE)、トロン(TRX)、チェーンリンク(LINK)、ポリゴン(MATIC)、11位のアバランチ(AVAX) まで揃っています。調査費を払って、ハッキングする仮想通貨を決定します。とうぜんながら、通貨によって成功確率に違いがあります。もちろんビットコインはいちばん難しく、下位にいくほど容易ですが、成功しても時価総額以上を獲得することはできません。現実的な対象はイーサリアムまでに絞られますが、必要額が500億円程度なら、アバランチをつかえばかなり安全に資金調達が可能です。

 さらにいろいろな案がだされ、通貨取引所自体をハッキングする方法もあります。これを可能させると、ハッキング成功率が急激に上昇します。

 こうした物語をつくれるのは、この仮想通貨による資産が、1)担保の所在が不明、2)発行主体が不明、3)発行額が無限に増やせる、など、文明の信用構造の外側で形成される「担保不詳化資産」だからです。

 資産と名づけられると、価値をもっているような錯覚を生みだします。しかし、 仮想通貨を基盤としてつくられる暗号資産は、完全な担保不詳化資産に分類されます。

 仮想通貨は、いくらでも種類をつくれるため、担保の供給量が無限に拡大します。まさに仮想領域で拡大するため、現実に適合できません。 BTCは、発行上限があるとされますが、プロトコル上の建前です。半減期も、コード上の約束にすぎません。破られても 責任主体が存在しません。通貨は、国の信用で成立しています。もし信用をうしなえば、通貨安という形で責任をとることになります。国家の徴税能力、経済力、軍事力をふくめた総資産が、担保化されているともいえます。暗号資産には、裏づけとなる担保がまったく存在しません。暗号技術は、量子コンピュータなどの技術的飛躍があれば、無価値になります。

  したがって仮想通貨によってが生みだされる暗号資産は、文明の信用構造の外側で形成される 典型的な「担保不詳化資産」です。リキッド・ファンディングでみたように、この資産クラスは、詐欺的構造になりやすい性格をもっています。

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