6月30日の取引で、金価格が1%超下落している。月間ベースでは2008年10月以来最大の下げとなる見通し。中東情勢を巡る不透明感が後退する一方、米国で高止まりするインフレを抑制するための利上げ観測がつよまっている。
金現物は0221GMT(日本時間午前11時21分)時点で1.5%安の1オンス=3956.92ドル。月間では12.7%下落しており、4カ月連続の下落となる見込み。米金先物8月限は1.7%安の3969.30ドルとなっている。
4半期ベースでも24年以来となるマイナスを記録する見通しで、下落率は13年4~6月期以来の大きさとなりそうだ。イラン戦争でエネルギー価格が急騰し、インフレ懸念と利上げ観測が強まったことが背景。
マレックスのアナリスト、エドワード・メイア氏は「高インフレ、高い利上げ観測、ドル高がそろっており、これらが通常は金相場の上昇につながる強気要因を全て打ち消している」と指摘した。
ロイター、 6月30日
7月に入ったので、金価格の現状を確認し、予想を立ててみたいと思います。4月の時点では、ここまでの下落は考えなかった展開です。しかし、アナリストの高インフレ、利上げ予想、ドル高という指摘は、金価格の現状を説明していません。どちらかというなら、金が買われてもいい話ばかしです。
金価格の低迷は、あきらかにAI相場の過熱がもたらした短期的な状況です。スペースXの上場も、金から資金が流出した原因だと思われます。利食いと損切りで、金市場から株式市場への資金シフトが生まれた結果だと思われます。
6月単月の下落幅は、-12.7%で4ヵ月連続の陰線をつくりました。4半期で15%下落は、2013年Q2以来です。 6月単月の下落幅は、-12.7%で4ヵ月連続の陰線をつくりました。4半期で15%下落は、2013年Q2以来です。2026年4月から6月までの4半期、金ETFからの推計流出額は、60億ドル規模です。
2026年6月のAI関連株の資金流入は、700~900億ドルという巨額でした。スペースXの上場規模は、1000億ドルを超えたとみられます。短期筋は、金を売ってIPOに参加したと思われます。
いっぽう、2025~2026年の中央銀行の金購入量は、年間1000~1200トンで、過去55年で最大規模でした。国別では、中国、トルコ、インド、ポーランド、シンガポールなどです。これらは「構造的な買い」で、 短期筋の売りとは性質がまったく違います。
4000ドルは、2025年の10月に揉みあった価格帯で、ここを下抜けると3400ドルまで支持線がありません。4000ドルで揉みあった期間はとても短いです。厚みがあるのは、2024年前半の2000ドルになります。
個人的には、4000ドルを割っていくのは難しいと思います。各国の中央銀行が買いにまわっている以上、構造に変化はありません。IMFの委員が「ドル離れの兆候がみえない」というのは、立場の苦しさを表現しています。
週足の79本線が、3900ドルくらいです。割り込んでも、ここまでです。もしここを下回ってくるなら金の役割に変化があったとみなしても良いでしょう。
AI相場の反動局面では、短期筋が金から資金を引きあげているので、若干の調整はあっても、金価格は上昇に転じると思われます。ここまで下げましたので、しばらくは、週足31本線、4900ドルまでくらいのボックス圏で推移すると予想されます。
とはいえ、ずっと注目しているマーカーが上昇しはじめたことは事実です。そろそろ、一波乱が起こりそうな予感がします。
いちおう、2026年9月末、4600ドルと予想します。
由布木秀
